2016/05/12

選食力

GWも終わり、やっと日常が戻って来た感じですね。
私たちの仕事にGWも何も関係ないのですが、わかきが家にいるのといないのでは大違いで・・・。
毎日幼稚園に行ってもらえるとありがたいです(笑)。

このところ、幼稚園から帰ってくると声が枯れていることがあって、
「どうしたん?」と聞くと、「大きな声でお歌を歌うからだよ!」と”当たり前じゃん”みたいな顔をして言われました。
去年の今頃は、毎日泣きながらの登園で泣きすぎて声を枯らして帰ってきていたのに・・・。
成長したもんです(笑)。

去年は1ヶ月に一回は必ず熱を出したり、体調を崩したりしてお休みしていたのに、
4月は初めて一度も休まずに登園できて、月間皆勤賞でした。
体も心も強くなったようで、わかきの成長を感じられて嬉しいです。

今月のココロネタイムスにも書きましたが、年中さんになると急に小学校が近く感じられるものですね。
それにともなって、「教育」ということについて考えることも多くなりました。
今までは、目の前のわかきにどう対応するかで精一杯でしたが、
最近はわかきの将来のことについて、これからの我が子の教育について、たけちゃんと話をすることも増えました。

わかきにこの仕事を継いでほしいというのはないし、
いい学校に入って、いい会社に入って、みたいな高学歴志向も私たちにはないのですが、
これからの激動の時代を生き抜いていける力を、というのはあります。
いわゆる「生きる力」というものかもしれません。

「生きる力」
書くとかっこよく見えますが、具体的に言葉にするとどんな力なのでしょうか。
人としての総合力という感じもするし、震災などを経験すると、本当に何もなくなったときに生き残るすべを持っているか(具体的に言えば、ガスも電気もないなかで火をおこしご飯が炊けるかとか)、ということも言える気がします。
それに、何が起こるかかわらない世の中で、何があってもへこたれないたくましい精神力や、
答えのない問題や課題に自分なりに考えて対処していく力、新しい発想や提案、挑戦ができるか。
挙げてみると、生きていくために必要な力はたくさんあるような気がします。

ただ、今挙げたものを自分が持っているか、と問われれば持っているとは言えないので、
これら全てを子どもに要求するつもりも全然ないのですが、子どもの幸せを願うがゆえに、親としてしてあげられることは何かと考える日々です。

そんな中、最近1冊の本を読みました。
『学力は「食育」でつくられる。』という本です。

内容を一言で言ってしまえば、子どもの成長に食生活はとても重要であるということなのですが、
事例や事実をとりあげて、興味深いことや大事なことがいろいろと書かれていました。

興味がある方は実際に読んでいただくのが一番かと思いますが、
その中で私の心に残ったキーワードを挙げるとすれば「選食力」という言葉です。
「心身の健康のためにどういう食材・食品を選んで食べるか、正しく食を選ぶ知識」ということですが、かつての飽食の時代から、現在は選食の時代になっているんだと知りました。

食べるものがあるのがありがたい時代から、
食べるものがありすぎる時代になり、
食べるものを選ばないといけない時代になっているのですね。

それもそのはず、今は見た目は食べ物だけれど、とても食べ物とは言えない”偽物”が多く出回っています。
親の世代は、「何でも食べなさい」、「もったいないから残さないで食べなさい」でよかったけれど、
今は昔に比べて食べ物とはえいない”偽物”が多く流通しているので、
親が食べ物を選ばないと、砂糖漬け、薬漬け、油漬けで心身を蝕まれる危険があるというのが怖いところです。

今の時代、私たちは食べることに困ることはほとんどありません。
お金がないと言いつつも、飢餓で亡くなる方がどれほどいるでしょうか。
パンもおにぎりもハンバーガーも、こだわらなければ100円で手に入ります。
お菓子だってお弁当だってちょっとそこのコンビニに行けば簡単に手に入るのです。

だからこそ、「選食」なのですが、空腹を感じたときに目先にあるコンビニの誘惑を振り払えるでしょうか。
私だって、今でこそ売っているものの実態を知り、コンビニの誘惑に負けない(だまされない)ようになりましたが、
かつては何も知らずにお腹が減ればコンビニで買い食いをしていました。

私が食の世界に興味をもったきっかけのひとつにコンビニにたむろする子どもたちの存在があるのですが、
自分自身を振り返ると、自分が伸び悩んだ時期、思ったように力を発揮できなかった時期は、コンビニで菓子パンを買い食いするようになった時期と重なります。

この本によれば、コンビニのセブンイレブンの1号店がオープンしたのが1974年のこと。
翌75年に24時間営業が始まったそう。1970年が外食産業元年というそうで、マクドナルドやミスタードーナツが日本に初めてできたのも1971年のことだそうです。

コンビニやファーストフード店がここそこにある今は見慣れた景色も、一昔前はひとつもなかったのですね。
きっとスーパーとかも今ほどなかったはずです。
食生活の欧米化は前々から指摘されていることですが、私たちを取り巻く環境が大きく変わってきている中で、
自分や我が子の食べ物を確保し、心身ともに健康でいられるようにすることは、今まで以上に重要なことのように思います。

ただ、食べる物にあまり神経質になっても窮屈だし、楽しくないので、
基本はおいしいものを食べること!、なるべく手作りすること、にしたいと思っています。

これは、ある日の朝ごはん。
ごはんに、みそ汁、季節の野菜を使ったおかずを中心に。
やっぱり、日本の伝統的な和食が一番いいようです。
時間を見つけては台所でせっせとおかずを作っています。
そんな親の気持ちを知ってか知らずか、最近はごはんを前より食べてくれるようになりました。
体調を崩さなくなったのは、ごはんをしっかり食べるようになったせいかなとも思っています。

きちんとした食生活、生活習慣の身についている子は、必要な時に伸びるそうです。
教育について思うことはいろいろありますが、やっぱり子どもは自分の力で育っていくもの。
子どもの伸びる力を応援できるように、まずは環境を整えることを意識したいと思います。

今は基礎をつくる大事な時。
基礎体力、基礎学力、そして何より、人として一番大事な根本の部分を、
子どもとともに学んでいきたいと思っています。