2016/06/03

命を救う仕事

大の病院嫌いのわかきくん。
小児科だろうが、皮膚科だろうが、耳鼻科だろうが、歯科だろうが、
とにかく「お医者さん」が大嫌い(苦笑)。
健診だろうがなんだろうが、行くと言われると大泣きして、前日から機嫌が悪いことこの上ない。

まぁ、「お医者さんに行くのが好き」なんて子はいないだろうけど、
お医者さんにかかるのはいつも一苦労。
そんな私とわかきの様子を見て、母がお医者さんのイメージを向上させるべく、
「お医者さんはすごいんだよ~。人の命を救う偉い人なんだよ~。お医者さんになりたい人はたくさんいるんだよ~」
と諭していたところ、わかきの返答は
「え~、消防隊員だって命を救う仕事だよ~」と応戦。

さすが、わかきくん。
幼稚園のお誕生日カードに、「将来の夢・しょうぼうたいいん」と書かれていただけある(笑)。
わかきくんの中で、命を救う仕事をしているのはまぎれもなく「しょうぼうたいいん」なのだ。

さてさて、そこで終わらないのがわかきくん。
なぜ?どうして?どういう意味?と連想ゲームのようにしつこくいろいろ聞いてくる。
いちいち面倒臭いなぁと思う時もあるけれど(笑)、てきとうには流せない話題もあって、
この日は命を救う他の仕事についてだった。

「お医者さんの仕事は人の命を救うことだよね。消防隊員も一緒だよね。じゃあ、お父ちゃんの仕事は?」
と。
私は一瞬考えて、
「お父ちゃんの仕事も、人の命を救う仕事だよね。ご飯食べないとみんな生きられないから、それを作ってるのは人の命を救う仕事だよね」
と答えた。

「そうだね~。」
とわかき。
「おうちがないとお外で暮らさないとだから、大工さんも命を救う仕事だよね~」
「お水がないと生きられないから、お水屋さんも命を救うしごとだよね~」と。

こんなやりとりをしていると、思わぬゴールに行きつくことがある。
ゴールというより、真理のようなものに突き当たることがある。

この日の結論は、どんな仕事も人の命を救っているということだった。
こちらが誘導した面もあるけれど、それは、わかきの質問によって大事なことを気づかされたからでもあり、子どもというのはなんて真っ直ぐに物事を見るのだろうと思った。

職業に貴賤はない

と言うけれど、まさにまさに。
どんな仕事も人の命を救ってる。
直接的にではなくても、どこかで誰かを救ってる。

子どもを通して社会と接するようになって、よりそう思うようになった。
「人に助けられて生きてるのはわかってるけど、自分の努力があるから生きてこれたんだよね」
とどこか奢って生きていた自分が、
「本当に多くの人の力によって私たちは生きているんだ」
と心から思うようになった。

命を救う仕事。

わかきはどんな仕事で人の命を救うのだろうか。
楽しみです。