2022/01/20

子どもと遊び①

昨日に引き続き、かこさとしです。

以前、古本祭りのようなところでたまたま見つけて、気になって買った本。
その名も『子どもと遊び』。
1975年発行の古い本ですが、今見ても中身は古びてない。
というか、45年以上前から、すでに社会に警鐘を鳴らしていたんだな、という内容です。

なぜ、かこさとしさんが絵本を書き続けていたのか、わかる気がします。

この本の中で、
「~(中略)、しかし栄養・環境・鍛錬の三つがいずれも大人たちの怠惰やうっかり、しっかりしていないため、すこやかな体を願っているとは思えない失態を次々と見せつけてくれている。
いったい大人は、親は、こどもを「すこやかに」育てたいのか、育てたくないのかどっちなのだ。
故意であろうと、過失であろうと、不健康におとしいれることは罪である。罪になるその前に、その態度が糾弾されなくてはならぬ。」

と、大人に対して厳しいことをおっしゃっていますが、言っても変わらない大人より、子どもに直接語り掛ける手段として、絵本があったのではないかと思うのです。

『だるまちゃんとてんぐちゃん』や、『からすのパン屋さん』シリーズ、『どろぼうがっこう』。
ぱっと見ただけでも、うちにはかこさとしさんの本が何冊もあります。
どれも、子どもたちの大好きな本。

そして、「子どもと遊び」についての結論として、
最終章では「すこやかでかしこい子」を育てるための3項目をあげています。

①子どもたちの本能的、生理的、具体的欲求を十分にかなえさせ満足させてやること。
②自然や社会とのふれあいをたくさん蓄積させ、生活経験を豊富にさせること。
③ことばによる思考の刺激をあたえ、自主性をもった学習をさせること。

①が「遊び」の世界に該当するのですが、その土台の上に、②がきて、その上に③がくるとわざわざ図を入れて説明されていて、遊びがなければ、他のものは育っていかないということを強調されています。

もちろん、ここで指す「遊び」というのが、テレビやゲームではないことは確かです。
むしろ、①②③のすべて、つまり、体と心を使う遊び、自然や社会との触れ合い、経験・体験、ことば、学習、それらを阻害するものとして、テレビやゲームがある。


ここでは結論を取り上げましたが、この本自体は、「遊び」について一番多くの紙面を割いて書かれています。示唆に富んでいておもしろいです。
子どもの脳の話などもあり、いまの疫病騒動の中で見ると、かなりきついというか、子どもたちに申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいますが、、、。

それはまた、明日以降に紹介したいと思います。

やっぱり、遊びは大事です!