夕飯の準備というより、仕込みを。
気が付くと、台所で2時間弱。
そしたら、昔読んだ本を思い出して、本棚へ。
その本の題名は、「建築は詩」。
大好きな本。
ところどころに付箋が貼ってあり、自分の好き具合がわかります(笑)。
1997年に亡くなられた、建築家吉村順三の語録集です。
生前、これからの建築家のあり方を問われた時、
「簡素でありながら美しいもの、自分たちの住んでいる日本の、
長年にわたる風土と文化によって培われてきたさまざまな建築から学び、
日本の気持ちから出たものをつくるべきでしょう」
とおっしゃっておられたそうです。
その言葉から、吉村順三という建築家の考えというか、思想が見えてきますね。
この本では、吉村順三のことばを100取り上げているですが、昨日、思い浮かべたのは、このことば。
「主婦のコーナー」
”必ず主婦の居られるコーナーを作っているつもりです(住宅の設計をするときに)。
場所がないときは、台所の隅の下の扉を取り除いて椅子を置いて、掛けられるようにします。できればなるべく小さい部屋でも一つ作るようにしますね。
主婦が幸福でなければ、いい家庭にならないし、家もよくはならないですね。”
なんだか、台所に立ちながら、この一節を思い出していました。
気づくと台所に立つ自分。
「お料理が好きなんですね」とよく言われるけれど、ちょっとそれとは違う気がしていて、もちろん、料理は嫌いじゃないし、おそらく好きな方だとは思うけど、どっちかというと、食べる方が好きで、、、、。
ふと思ったのは、台所は、私にとって居心地のよい場所なんだろう、と。
まさしく、主婦のコーナーの一つなのであろうと。
そんなことを思いながら、ページをめくると、もうひとつ、引っかかったことば。
「家のセンター」
”僕は住宅ではリビングというより、食事をする場所が一番中心と思うんです。
(中略)で、家に今残っているものは何かというと、家族みんなでそろって食事をすること、これがとても大事じゃないか。ですからぼくは、わりあいにその場所を家のセンターに置くんです。(略)”
私は、主婦の仕事って大事だと思っていて、それこそ、家族の健康を守り、それぞれの活動を支え、家族一人ひとりの感情に影響を及ぼし、家族の基盤を担っている。
その中でも、食卓って、すごく大事だと思っていて。
そういう私が大事と思うことを肯定されているようで、改めてこの本を心地よく読みました。
専業主婦ではないので、家の中を見回すといろいろと手抜きも多いですが笑、なんとか基盤だけは守っていけるように、努力したいと思います。
やっぱり、家族の笑顔が私のエネルギーの源。
家族のために、自分のために、今日も台所に立とう。
それが私の幸福なのだ。